- 大腸ポリープとは
- 大腸ポリープの症状
- 大腸ポリープの原因
- 大腸ポリープの種類
- 大腸ポリープの検査
- 大腸ポリープを切除する重要性
- 大腸ポリープを切除する方法
- 大腸ポリープ切除後の注意事項
- 大腸ポリープに関するよくある質問
大腸ポリープとは
大腸ポリープとは、大腸粘膜上にできる腫瘍です。多くの場合は良性腫瘍ですが、放置すると悪性の大腸癌へと進行する恐れがあるため、検査等で大腸ポリープが発見された際にはできるだけ早めに切除手術を行う必要があります。
大腸ポリープは大腸カメラ検査によって発見することが可能です。また、検査中に大腸ポリープを発見した際には、そのまま切除手術を行うことも可能です。大腸癌の多くは大腸ポリープからの進行であるため、定期的に大腸カメラ検査を行うことが大腸癌の予防の第一となります。
大腸ポリープの症状
大腸ポリープは初期の段階では自覚症状がほとんど現れないため、発生していても気付かないケースが多く見られます。しかし、進行してサイズが大きくなると、腸を便が通過する際にポリープが擦れて出血を起こし、血便や鮮血便を引き起こすようになります。また、肉眼では確認できないほどの微細な出血の場合でも、健康診断等の便潜血検査で陽性反応が出ることがあります。また、稀なケースとして、大腸ポリープが巨大化して腸閉塞を引き起こすこともあります。
大腸ポリープの原因
生活習慣の乱れ
大腸ポリープの原因の多くは、脂分の多い偏った食事や過度な飲酒、運動不足、喫煙、肥満、ストレスといった生活習慣の乱れとなります。そのため、予防には適切な生活習慣への改善が最も重要となります。
大腸ポリープの種類
大腸ポリープは、大きく腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープの2種類に分類されます。腫瘍性ポリープは、大腸癌へと進行する恐れのある腺腫性ポリープとすでに一部が大腸癌へと進行しているポリープの2種類があります。一方、非腫瘍性ポリープは大腸粘膜の炎症などが原因で発生し、基本的には大腸癌への進行の恐れのない良性ポリープとなります。ただし、良性であってもサイズが大きくなると便が通過する際にポリープが擦れて出血を起こすことがあるため、切除手術を行う必要があります。
腫瘍性ポリープ
腺腫性ポリープ
腺腫性ポリープとは放置すると大腸癌へと進行する恐れのある大腸ポリープで、大腸ポリープ全体の半数以上は腺腫性ポリープとなります。また、中には腺腫の一部がすでに大腸癌へと進行しているケースもあります。その他、腺腫性ポリープを発症している患者さんの30〜50%は他の腺腫性ポリープを発症しているとも報告されています。
腺腫性ポリープの中に大腸癌が含まれるリスクはサイズによって異なり、一般的に10mm以下のものは良性であるケースがほとんどです。しかし、大腸ポリープは放置すると成長するため、良性であっても切除手術を行う必要があります。
無茎性鋸歯状腺腫
無茎性鋸歯状腺腫(SSA/P)とは大腸ポリープの一種で、表面がノコギリの歯のような形状をしている特徴があることからこのような名称が付けられています。無茎性鋸歯状腺腫は大腸癌の発生に関与していると考えられていますが、一見すると表面が平坦で滑らかに見えることから検査をしても見逃されてしまうケースも見られます。
無茎性鋸歯状腺腫が発見された際には、速やかな切除手術が必要となります。
非腫瘍性
炎症性ポリープ
炎症性ポリープとは、大腸粘膜が炎症を起こすことで発症する良性のポリープです。大腸全体の中でも肛門に近い位置にある直腸〜S状結腸あたりに発生するケースが多く、一度発生すると多発する特徴があります。良性であるために放置しても問題ないですが、サイズが大きくなると出血を起こす恐れもあるため、切除手術を行うかどうかは医師の判断で決定します。
過誤腫性ポリープ
無茎性鋸歯状腺腫(SSA/P)過誤腫性ポリープとはキノコのような形状をしている有茎性の良性ポリープで、若年性ポリープやポイツ・ジェガース型ポリープ、クローンカイトカナダ症候群ポリープなどいくつかのタイプに分類されます。最も多いタイプは若年性ポリープで、多くの場合は幼少期に発見され、約1/3は成人期に発見されます。主に肛門から近い直腸〜S状結腸あたりに発生する特徴があり、サイズが大きい場合には出血を起こす恐れもあることから切除手術を行うこともあります。
大腸ポリープの検査
便潜血検査
便潜血検査とは便の中に血が混じっているかどうかを調べるための検査で、大腸癌のスクリーニング検査としても実施されます。大腸癌の患者さんが便潜血検査を行うと、約90%が陽性と判定されます。一方、腺腫などの良性ポリープの患者さんの場合には10~30%程度しか陽性と判定されないため、ポリープがあっても出血していなければ見逃されてしまうケースもあります。便潜血検査の結果が陰性であっても大腸カメラ検査を実施すると大腸ポリープが見つかるケースもあり、注意が必要です。
大腸ポリープを切除する重要性
大腸癌の多くは、腫瘍性の大腸ポリープから進行します。そのため、大腸癌の予防として最も効果的な方法は大腸ポリープの段階での切除手術となります。
大腸ポリープは自覚症状がほとんど現れないため、発症しても多くの場合は気付きません。そのため、定期的に大腸カメラ検査を実施して常に大腸粘膜の状態を把握しておくことが大腸癌の予防には重要です。
大腸ポリープを切除する方法
ポリペクトミー
ポリペクトミーとは、内視鏡検査で見つかった隆起性病変を切除する治療法です。主に将来的に大腸癌に発展する可能性のあるポリープを、スネアと呼ばれる輪っか状のメスで切り取ります。外科手術を必要とせず、内視鏡による治療でポリープを除去することで、早期に病変を発見・切除でき、ポリープが大きくなって癌に進行する前に対処することが可能です。
EMR(内視鏡的粘膜切除術)
EMR(内視鏡粘膜切除術)とは、生理食塩水などを使用して大腸粘膜を隆起させてからスネアで締め付けて切除する方法です。主に10〜20mm以下の平坦な形状をしていてそのままではスネアを引っ掛けるのが難しいポリープの切除の際に適用されます。比較的簡単に行えることや手術後の出血や癌化などのリスクが少ないことから、早期の大腸癌を治療する際に行われるケースが多く見られます。
大腸ポリープ切除後の注意事項
大腸ポリープの切除手術は比較的簡単に日帰りで行うことができますが、切除後には以下のような点に注意が必要です。
低血糖や脱水の予防
大腸ポリープの切除手術では事前に食事制限や下剤の服用を行うため、手術後は脱水や低血糖に気をつけましょう。手術後は医師の指示に従い、適度に水分や糖分の補給を行ってください。
食事
手術当日から7日間の食事は脂分の多いものや刺激物は控えるようにし、消化に良いものを選択しましょう。
飲酒
手術当日から1週間ほどは、飲酒は控えましょう。アルコールは血行を促進するため、患部から出血を起こす恐れがあります。
入浴
手術当日から数日間は入浴を控えましょう。ただし、シャワーであれば手術の翌日から可能です。
運動
手術当日から1週間ほどは、激しい運動は控えましょう。また、テニスやゴルフといった腹圧に負担をかけるスポーツも控えましょう。軽いウォーキングなどであれば手術の翌日から可能です。
旅行や長時間の運転
手術当日から1週間ほどは、旅行や出張などによる長距離の移動、長時間の運転、飛行機による移動は不可です。
大腸ポリープに関するよくある質問
大腸ポリープと大腸癌の違いはなんですか?
大腸ポリープには様々なタイプがあり8割は良性腫瘍ですが、その中でも2割が発生する悪性の腫瘍性ポリープという種類が大腸癌となります。そのため、大腸ポリープが発見されたら全て切除手術を行っておくことが大腸癌の予防には効果的です。
大腸ポリープが発見されたら必ず切除した方が良いですか?
癌化のリスクが少なくサイズも小さいものであれば、切除せずに経過観察に留めるケースがあります。ただし、発癌リスクのある腫瘍性ポリープは、小さくても切除手術を行うことが一般的です。
大腸ポリープ切除後はどのくらいの期間安静状態を保った方が良いですか?
ポリープの形状やサイズ、切除方法によって異なりますが、一般的に電気で焼き切る方法で手術を行った場合には出血のリスクがあるために手術後から1週間は安静状態を保つようにしましょう。
大腸ポリープ切除後の患部の痛みはどのくらい続きますか?
手術後痛みが続くことはありますが、ほとんどの場合は軽度で数日すれば自然と治まります。痛みが強い場合や数日経っても治まらない場合には、速やかに当クリニックまでご相談ください。
血縁者に大腸癌の既往歴がありますが、大腸ポリープや大腸癌は遺伝しますか?
大腸ポリープが大腸癌に進行するまでにはどのくらいの時間がかかりますか?
大腸ポリープの形状や大きさ、遺伝的要因の有無、患者さんの健康状態などによって個人差があるために一概には言えませんが、一般的に大腸ポリープを放置すると数年で大腸癌へと進行すると報告されています。そのため、大腸ポリープが見つかった場合にはできるだけ早い段階で切除手術を行っておくことが大切です。
大腸ポリープを予防するために気をつけることは何ですか?
大腸ポリープを引き起こす原因には様々なパターンがありますが、最も多いのが生活習慣の乱れです。特に脂分の多い食事習慣や運動不足、過度な飲酒、喫煙、肥満などは大腸ポリープや大腸癌の発症リスクを高めます。
そのため、食事は動物性脂肪や高タンパクなものはできるだけ避け、野菜や海藻類、きのこ類、穀類などの食物繊維を多く含む食材を多く摂るように心がけましょう。また、適度な運動習慣の取り入れや節酒、禁煙なども予防には効果的です。
大腸ポリープの発症原因の一つとして、遺伝的要因が関与しているとも考えられています。そのため、血縁者に大腸ポリープや
大腸カメラ検査とは、極小の内視鏡スコープを肛門に挿入して大腸粘膜全域の状態を直接調べることができる画像検査です。他の検査では発見が難しい微細な大腸ポリープや
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とは、大腸粘膜の下層に薬剤を注入して病変組織を隆起させてから切除する治療法です。主に2cm以上で平坦な形状をしているポリープや早期